イギリス大学院

学部生から一歩先へ:King’s College London大学院留学体験談

キングスで見つけた、学びと挑戦のリアルストーリー

プロフィール

名前 S.W
キングス・カレッジ・ロンドン(International Management MSc)卒業

 

キングスカレッジロンドンの特徴

  • ラッセル・グループの名門、ゴールデントライアングルに属す大学
  • 多様な学生コミュニティ
  • QS世界大学ランキングで31位(2026年)
  • 医学、戦争学部、ビジネスなどが特に強い

大学卒業後すぐに大学院に進もうと思った理由

まず、なんで大学院に進もうと思ったんですか?

大きく2つ理由があります。1つ目は、自分の専門をもっと磨きたかったことです。私の学部はリベラルアーツ系で、いろんな分野を広く浅く学ぶスタイルだったので、「これを勉強しました」と胸を張って言える専門性があまりありませんでした。その中で、ビジネスや経営に興味があったので、大学院で改めてしっかり専攻として学びたいと思ったんです。

2つ目は、キャリアを考えたときです。学部卒ですぐに就職するより、大学院で海外の環境に身を置き、さまざまな人の価値観に触れながら自分を見つめ直す期間にしたいと思いました。そのため、大学院に進学する決断をしました。

就活については検討せず、大学3年生のときに、大学院留学をすることを決めました。留学の準備としては早めに動いていました。コロナで交換留学がオンラインになったり現地に行けなかったりしたので、少し早めの判断でした。

大学・専攻選びの基準

僕が卒業した学部は キングス・カレッジ・ロンドンのInternational Management MSc です。

キングス・カレッジ・ロンドンを選んだ理由は2つです。まず、多様性がすごく豊かだったこと。僕はいろんな国籍・バックグラウンドの人がいる環境で学びたかったんです。2つ目は、授業スタイル。机に向かうだけでなく、プレゼンやディスカッション、企業訪問など実践的な内容が多かったので、自分に合っていると思いました。

イギリスを選んだ理由は、まず知名度の高さ。さらに大学院が1年制なので短期集中で学べる点や、費用を抑えられる点も魅力でした。あと個人的にはシャーロックホームズが大好きで(笑)、イギリスに住めるのも楽しみの一つでしたね。

情報はどうやって集めましたか?

現地には行かず、インターネットやYouTube、大学のオンラインイベントで雰囲気を知りました。アメリカの大学は教授に直接連絡して推薦状を書いてもらったりもしました。

何校出願して、キングスに決めたタイミングは?

出願したのは、イギリスはUCL、キングス、インペリアル、LBSの4校、アメリカはアリゾナ州立大学サンダーバードです。複数のオファーをいただいた中で、決め手はやはり「多様性」と「実践的なカリキュラム」。

他校はMBA色が強かったり、アカデミック寄りだったりしましたが、キングスは自分の学びたいスタイルに一番合っていました。

英語力と授業の難しさ

留学前の英語力は?

IELTS 7.5程度です。日常会話は問題なかったですが、ビジネスや学術的議論は少し難しかったです。

授業スタイルは?

ディスカッションとプレゼンが8割ぐらいでした。テストやレポートもありますが、ほとんどがグループでの課題や発表でした。

印象に残った授業

F1やレゴで学ぶビジネスモデルの秘密

授業では「ビジネスモデル・イノベーション」というコースが特に面白かったです。F1やレゴといった実在企業をケーススタディとして取り上げ、どんな仕組みで収益を上げているのか、どこにイノベーションが生まれているのかを論理的に分析しました。学んだ理論をベースに、実際のクライアントに対して「こう改善すべき」と提案する演習もあり、知識を実務に応用する感覚を得られたのは大きな経験でした。さらに毎回の授業には現役の経営者や業界のリーダーがゲストスピーカーとして登壇し、リアルな話を直接聞けたのも刺激的でした。

本物の企業を相手に挑戦!コンサル実践プロジェクト

授業以外では、修論の代わりに選べる「コンサルティングプロジェクト」が強烈に印象に残っています。僕はスコットランドのエネルギー企業を担当し、チームで事業分析をした上で「今後の戦略」を提案。最終的に教授とクライアントの前でプレゼンをしました。プレッシャーは大きかったですが、現場で役立つスキルを総動員する実践的な経験で、学びを「本物」にする瞬間だったと思います。

ロンドンでの生活と苦労したこと

寮生活でのよかったことはありますか?

よかったことは、金銭面とメンタル面の両方です。
金銭面については、決して安いわけではなく、僕の場合は月20万円くらいでした。それでも自分でフラットを探してシェアハウスに住んだり、一人暮らしをしたりするよりは費用を抑えられたと思います。あと、学生寮だったので手続きがとても楽でした。行ったら鍵を受け取って、そのまま住み始められる感じで、インターネットや電気の契約を一からやる必要がなかったんです。もしトラブルがあって水が出なくなったりしても、カウンターに行けばすぐ対応してくれるので、そういう管理面はすごく安心でした。

メンタル的な面でいうと、友達がすぐ近くにいる環境は大きかったです。同じフロアじゃなくても、他の階でパーティーがあったりして、いろんな人と自然に交流できました。学部や学科を超えてつながりができるのはすごく良かったですね。僕の寮は大学院生だけが住んでいたので、そういう意味でも落ち着いた交流ができたと思います。

逆に、悪かったところはありますか?

ありましたね。2つあります。
1つ目は誘惑です。寮の最上階にコモンルームがあって、行けば必ず誰かがいてパーティーをしているような状態でした。楽しいんですけど、その誘惑に勝って勉強したり就活したりするのが大変でしたね。最初は特に苦労しました。

2つ目は、シャワーやトイレのシェアです。僕自身はそんなに大きな問題にはならなかったんですけど、やっぱり衛生に対する感覚って人それぞれ違うので、気を使うことはありました。自分専用のシャワーやトイレがある生活に比べると、やっぱり少し不便に感じることはありました。

ただ、総合的にみると、良いことの方が圧倒的に多かったと思います。友達ができやすい環境や、手続きやトラブル対応が簡単だったことは、学生生活を送るうえで大きな助けになりましたね。

キャリアと就活について

ロンドンキャリアフォーラム(ロンキャリ)やボストンキャリアフォーラム(ボスキャリ)は参加されましたか?また、始めた時期やきっかけについて教えてください。

僕が就活を始めたのは、大学を卒業してすぐの5月頃です。留学前から準備していたんです。ボスキャリは11月にあるので、9月にイギリスに渡航してからだと、2ヶ月しか準備期間がないんですよね。僕はそんなに即戦力タイプではなかったので(笑)、早めに5月から準備を始めていました。東京サマーキャリアフォーラムというバイリンガル人材向けのイベントにも参加して、ボスキャリに向けても対策を進めていました。

ノンキャリは翌年4月に開催されるので、ボスキャリが終わってから少し時間を置いて、また準備を始めました。

具体的にはどんな準備をしていましたか?

いわゆるESや履歴書の作成、筆記テスト対策、面接練習といった基本的なことに加えて、僕はコンサルや金融系を見ていたので、ケース面接の対策もかなりやっていました。普通の就活とは少し違った特殊な準備も必要だったので、そこに力を入れていました。

学業との両立は大変ではありませんでしたか?

めちゃくちゃ大変でしたね(笑)。正直これが一番きつかったです。授業もありつつ、就活の準備もあるので、常に優先順位を考えて動いていました。僕は睡眠不足で体調を崩すのが怖かったので、そこだけは意識して、体を壊さないように調整していました。

実際にボスキャリに参加してみて、海外大学院生としてのメリットを感じましたか?

それはすごく感じました。国内選考と比べると、やっぱり優遇されている印象がありました。面接の回数が少なかったり、「こんな浅い受け答えでいいの?」と思うぐらいの段階で内定をいただけたり…。あとはボスキャリにはディナーがあって、そこでは美味しいご飯を食べながら企業の偉い方々と直接お話できる機会もありました。選考の途中で招待される形なんですが、これはすごく良い経験でしたね。

大学院に留学して感じたメリット・デメリット

大学院に留学してみて、メリットやデメリットはどんな点にありましたか?

メリットはたくさんあるんですが、メインは大きく2つだと思います。
1つ目はコネクションです。これは言わずもがなですが、本当にいろんな人と出会えました。日本で生活していたら絶対に会えないような人たちと交流できたのは大きかったです。向こうの大学院に来ている学生はレベルが高い人が多くて、例えば「お父さんが社長」とか、そういう家庭のバックグラウンドを持つ人もたくさんいました。そういう人たちと仲良くなって、ご家族の話を聞いたり、一緒に旅行に行ったりして深い話ができたのは、本当に貴重な経験でした。

2つ目は自信がつくことです。言葉も通じない環境で、しかも授業もめちゃくちゃ大変で、その中でなんとかサバイブして、最終的にやり切れたことは大きな自信になりました。「これだけ大変な環境でできたんだから大丈夫だ」と思えるようになったのは、人生においてもプラスになっていると思います。

逆に、デメリットもありましたか?

一番は費用面ですね。やっぱりすごくお金がかかります。実際、その金額があれば他の選択肢も取れるわけです。例えば起業したり、別の自己投資をしたり…。そういう可能性を考えると、「必ずしも全員にとって留学が正解」というわけではないと思います。特にグローバルに活躍したいという強い気持ちがないのであれば、無理して留学する必要はないのかな、と感じました。

あとはやっぱり、大変さですね。言語も違うし、学業のハードルも高い。日常生活の細かいことでも苦労するので、ある程度タフさは必要だと思います。

僕自身は、本当に行ってよかったと思っています。コネクションと自信、この2つは留学ならではの価値でした。ただ、人によっては費用や負担の大きさを考えると、慎重に判断する必要があると思います。

奨学金について

奨学金っていつ頃から探し始めて、どんなふうに準備していたんですか?

僕は大学院の出願と同じタイミングで奨学金の申請も始めました。なので、だいたい出願の1年前くらいからですね。奨学金って募集がめちゃくちゃ早いことが多いので、少しでも考えている人は絶対に早めの準備をした方がいいと思います。

僕は日本の奨学金もいくつか申請したんですけど、最終的にはキングス・カレッジから給付型(返さなくていいタイプ)の奨学金をもらいました。金額としては学費の3分の1ぐらいでしたね。すごく助かりました。

申請の内容は結構大変で、履歴書や「なぜ奨学金が必要なのか」というエッセイに加えて、英語での面接もありました。なので、出願に合わせて英語での対策をしておくのが大事だと思います。

やっぱり「早めに準備すること」が一番大事です。ただ、僕の経験から言うと、単に早く出すよりも質を高めてから出すことが重要だと思いました。

僕が出した奨学金は締切が3回あったんですけど、結局一番最後の8月の締切で出しました。それでも無事に面接まで進めたので、「早さ」よりも「内容の完成度」の方が効くんじゃないかなと感じています。あと、奨学金ごとに条件や見られるポイントが全然違うので、既に受けた人に話を聞いたり、コネクションを活かしてリサーチするのもすごく大事だと思います。

大学院進学を考えている人へのアドバイス

学部を卒業してすぐ大学院留学を考える人も多いと思いますが、周りが就活モードの中で悩む人もいると思います。そうした人たちにアドバイスはありますか?

大学院留学って本当に良い選択肢だと思うんです。だから周りが就活しているのを見て「自分もそっちに行った方がいいのかな」と迷う気持ちはすごくよく分かります。でも、僕自身は就活している友達とも巻き込み合う感じで、一緒に頑張っていました。

就活をしている人は自己分析をしたり、「なぜその会社に入りたいのか」を考えたりしますよね。大学院出願も同じで、「なぜその大学院に行きたいのか」という理由が必要ですし、そこは就活準備とかなり似ていると思います。だから「自分は違う道だから関係ない」と切り離すんじゃなくて、同じ机で一緒に作業して、お互い刺激を受けながら進めるのがすごく良かったです。

とはいえ、周りが就活モードだと「自分だけ違う選択肢を取っていて大丈夫かな」と不安になる瞬間は必ずあると思います。そういう時は、今はYouTubeやSNSで実際に留学準備をしている人を簡単に見つけられるので、そういう人をフォローしたり繋がったりして、モチベーションを保つのもおすすめです。

要するに、周りのノイズに流されすぎず、自分の進路に必要な準備を冷静に進めていくことが大事だと思います。